一本杉通り かわら版
ニュース・イベント | 2009年7月19日
昨夜鳥居醤油店にて
スパニッシュ・コネクションによるスパニッシュ・ジャズを聴いてきた。
(コンサート中は写真撮影禁止ということもあり、残念ながら写真は殆どない)
私は、ジャズを結構聴く。でも昨夜プログラムを渡された時、「禁じられた遊び」、「恋のアランフェス」、「鳥の歌~醤油」、「鬼平犯科帳のテーマ」、「リベルタンゴ」などの予定曲が書かれているのを見て、こりゃスパニッシュ・ジャズと言っても、少し暗い重ためのコンサートになるのかなと思った。
私の先入観からすると、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」も「禁じられた遊び」のサウンドトラックもナルシソ・イエペスのイメージで、前者は過去の栄光を偲ぶような哀愁感というか悲壮感漂う感じ、後者は切々と悲しげなメロディのように思っていた。「鳥の歌」も、パブロ・カザルスが「私の生まれ故郷カタロニアの鳥は、ピース、ピース(英語の平和)と鳴くのです」と語ってから演奏したという逸話から、平和への願いを切々とチェロで演奏した曲のイメージが強い。
スパニッシュと聞いて思い浮かるのは、チック・コリア(ピアノ)、カルロス・サンタナ(ギター)、パコ・デ・ルシア(ギター)など。アル・ディ・メオラ(ギター)などもチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエバーに参加していたからスペイン系ではないがスパニッシュに入れてもいいのかもしれない。でも皆、昨日聞いた感じとはかなり違う。パコ・デ・ルシア辺りがあえて言えば少し近い感じか。
実際聞いた感じは、フラメンコの伴奏のような情熱的な演奏が殆どであった。スパニッシュ・ジャズという訳ではないが、昔ラテン系のポップスをやっていたサンタエスメラルダの『朝日のあたる家』のフラメンコ・ギターなどによるインストゥルメンタルがあったが、あれなどを思い出させる演奏であった。
よって「禁じられた遊び」、「鳥の歌~醤油」(メドレー)、「愛しくも切なく」、「恋のアランフェス」などの曲も皆情熱的で、フラメンコでも踊るような調子をとるような拍手が鳴らされ、思わず「オウッレッ!」と叫びたくなるような演奏であった。
こういうアレンジでこれらの曲を聴くのは初めてである。伊藤芳輝氏のギターのはや弾きは、アル・ディ・メオラを思い起こすような凄さだし、吉見征樹氏のタブラという打楽器を手で叩く速さ、海沼正利氏のパーカッションの速さなども見ものであった。ベースの伊藤寛康氏は私の席からは見え難く、ベースという性格上あまり目立たなかったが、最後の最後のアンコール曲で一人演奏の見せ場をもらい、その優れた技量を見せてくれた。
コンサート終了後、CD販売(16曲録音され、何と2千円)とサイン会があり、さらにその後、打上げ会が1000円でOKということだったので、それも参加した。
メンバーによる無伴奏の歌声も色々聞かせてもらった。ヴァイオリン:平松加奈の「天城超え」、伊藤芳輝氏によるアリスのデビュー曲「走っておいで恋人よ」、海沼正利氏の「信濃の国」など。本番のコンサートより盛り上がったかもしれない(笑)。
実に楽しい一夜であった。